奴豚 牛美の長期滞在型ジプシー生活

2007年からマラソン始めた夫「奴豚」と 妻「牛美」。テーマ:マラソンに出場しながら旅してます

奴豚 熊に追いかけられる

  • 2011/07/04(月) 03:52:48

クランブルックを出てさらに東へ。


景色がだんだんカナダらしくなってきたぞ。

雪を頂いた険しい山々と深い森、湖、う〜〜ん こうこなくっちゃ。と気を良くしてドライブ中、ファーニーという町で何気なくフラフラっとファーニー山への脇道へ。
山の中腹に立派なロッヂが建っている。

素晴らしい景色に誘われてランニングシューズに履き替え、昨日同様ランチ背負って走りに出た。



トレイル走というより山登り。かなりキツイわ。徒歩で登ることにした。奴豚は「上で会おう」と 駆け上がって行ってしまう。とは言え登山道はつづら折り、スイッチバックS字カーブなので時折姿が確認出来る。時々止まって 牛美との差が縮まるのを待っているようである。

今日は熊対策で 熊ベル熊スプレー(ペッパースプレーのことだけど)持参、ホイッスルも首から下げている。
奴豚と離れている時は大声で「タンタン狸」の歌を心おきなく歌っていた。カナダのファーニーくんだりで歌の意味を解する人も稀であろう。。熊よ、聞いているかい?

登り始めて1時間半、そろそろ頂上かと思った時、奴豚の声が聞こえた。 「熊がいる。母親と子供だ、走って下れ!」その直後に「Fuck!   RUN, RUN,RUN!!!」奴豚の姿が一瞬見えたので、踵をかえして走って下り出した。「大丈夫? 何色の熊?」と聞いてみたが、答えがない。
奴豚の姿を確認しようと振り返ったが見えず。ホイッスルを思い切り吹く。はぐれた時の我々の合図である。ホイッスルを聞いたら、互いの場所を確認するため吹き返す約束になっている。
応えのホイッスルが聞こえない。名前を呼んでも返事がない。
立ち止まり耳を澄ます。シーンとしている。動くものも気配もない。

『まずい、追いつかれたか』奴豚が熊に襲われているのではと、スプレーを手に 下りて来た道を今度は必死で駆け登る。ホイッスルを断続的に吹き続ける。なんとか無事でいて欲しい。

視界に奴豚のオレンジのシャツが見えた。走っている、大丈夫のようだ。背後に熊がいるのかどうか判らないが、無事とわかれば あとは親子から少しでも離れるしかない。
こんな時、つづら折りの山道ほど 歯がゆいものはないな。熊が真っ直ぐ下って来たらあっという間に追いつかれるじゃないか。倒木の枯れ枝は尖ったナイフの様、おまけに岩ゴツゴツだしトレイルを外れるわけにいかない。スイッチバックをくねくねと降りるしかないんだわ。背後を時々確認しながらともかく走った走った。25分でロッヂまで駆け下りた。もうついて来ないだろうとは思ったものの奴豚は止まる余裕がないようだった。

熊の色は茶色、大きな母親とそれはそれは可愛い小熊だったそうだ。絶対グリズリーだったと言う。鉢合わせで小熊を驚かせたのかもしれない。立ち上がった小熊の横を飛ぶように母熊が奴豚に向かってきたので、逃げる以外なす術なく、はじめ追われて登ったが、登りでは勝ち目なしとナイフを手に脇道へ飛び込み 足場も確認せずともかく下りのトレイルに出て、闇雲に走ったんだそうだ。熊の親子は奴豚の後に現れたから、牛美との間にいたわけで、知らずに登ってくる私に知らせようと怒鳴ったのも余計に熊を怒らせたのかもしれん。

ロッヂに下りて奴豚の足が枯木にこすられ傷だらけだったこと、履いていた五本指靴の底を枯枝が突き抜けて大きな穴が空いていたことが事の大変さを物語っていた。幸いにも足の裏に怪我がなかったのはたまたま入れていたインソールのお陰だった。
熊に出くわした時の対処法は読んでいたけど、まさか急に追いかけられるとは思わないもんなー。よっぽど怖かっただろう、可哀想に。。奴豚。

Run for Lifeとは正にこのこと。


前へランダムサイト一覧次へ参加申し込み